ハンス・ロスリング、アンナ・ロスリング・ロンランド著のファクトフルネス。
「人間の思い込み」が真実を正しく見れなくしている事実をデータをもとに証明している本。
最初に13問の質問が用意されていまして、そのうちの1つがこれ。
質問 世界の人口のうち、極度の貧困にある人の割合は、過去20年でどう変わったでしょう?
- 約2倍になった
- あまり変わっていない
- 半分になった
答えを下にするために画像を1枚。
答えは、
3の「半分になった」
ということです。
どうでしたか?
これの正解率は平均で7%。日本は10%、アメリカはなんと5%の正解率とのことです。
本書では、人間の思い込みが10あると書かれています。
そのうちの1つが
ネガティブ本能
というもの。
それが、「世界はどんどん悪くなっている」という思い込みに繋がっているという。
別の本では、1つのネガティブ情報を打ち消すには7つのポジティブ情報が必要とのこと。
それだけ、人はネガティブなことに影響を受けているようです。
ニュースでは、視聴率を上げるために、このネガティブ本能を活用し、悪いニュースばかり流しているのも影響しているようです。
本当は、「小さな進歩」が世界中で起きているのに。。。
1つひとつの変化はゆっくりで細切れだから、なかなかニュースには取り上げられない。
ということのようです。
そのほかの思い込みとしては、私がとても共感したのが、
犯人捜し本能
「誰かを責めれば物事は解決する」という思い込みです。
なにか悪いことが起きたとき、単純明快な理由を見つけたくなる傾向が、犯人捜し本能。
誰かを責めたいという本能から、事実の基づいて本当の世界を見ることができなくなってしまう。
誰かを責めることに気持ちが向くと、学びが止まる。
誰かを責めることで、複雑な真実から目をそらし、正しいことに力を注げなくなってしまう。
みなさんの周りでもありませんか?
私の周りは、残念ながら、この状況が散見されます😅
特に学びが止まることによる楽しみがなくなり、人間として不幸になっていく。
残念なことです。
こんな例が書かれていました。
「飛行機事故を睡眠不足のパイロットのせいにしても、次の事故は防げない。次の事故を防ぐには、なぜパイロットはウトウトしてしまったのかを探るべきだろう。今後どうしたら睡眠不足のパイロットに操縦させないようにできるだろうか?パイロットのウトウトを見つけた時点で考えるのやめてしまったら、そこから先に進めない。世界の深刻な問題を理解するためには、問題を引き起こすシステムを見直さないといけない。犯人捜しをしている場合ではない。」
「逆もある。物事がうまくいったとき、誰かひとりの功績にしたりと単純な理由を見つけたくなってしまう。でも、たいていの場合、物事ははるかに複雑なのだ。」
組織の場合、
さらに悪いことに、誰かのせいにすることで、その人が今後の活躍しても、負のバイアスがかかり、エンゲージメントが低下するという最悪なシナリオになっていると思う。
逆も同様。うまく行った時の理由ははるかに複雑で、みんなで協力して結果を出したことが多く、一人の活躍でないことの方が多いと思う。このように複雑な中で、誰か一人を褒め称えることは、不満を持つ人を増やすようなものだ。だから表彰などもよく考えなければならないと思う。
ということで、2つの本能(思い込み)を書きました。
そのほかに8っつの本能(思い込み)が書かれていて、それぞれに多くの実例とデータのエビデンスがあり、人間の思い込みがどういうものなのか、それがこれからの未来に向けていかにマイナスになるかが書かれています。
さらに、それぞれの思い込みに対して、どのように対処すれば良いのかもわかりやすく書かれています。
興味がある方には、お薦めいたします。
FACT FULNESS
良いタイトルと思いました。
私は、これを
事実をデータを基に正しく見て、そして幸せになりましょう。
と理解しました。
私の周りでは、最近このデータやデータドリブンと行った言葉と
心理学やタレント(特性)的なところの言葉がよく出てきます。
人についても、多くの思い込みで判断されているのが実態だと思います。
ここについても、データを基に正しく見て、何らかの解決の糸口になるだろうと考えています。
ではまた〜 バイバイ❣️